
はじめに
こんにちは。岩と申します。USB-PD(30W入力、45W出力)に対応したモバイルバッテリを作ってみたので紹介します。
構成
図のような構成としました。以降各要素について少し解説します。
PDトリガ
akizukidenshi.com 秋月電子で買えるCH224Kを使いました。電池を充電するときに昇圧と降圧が混在すると面倒くさいので入力は20V固定としました。
充電制御
www.ti.com TIのBQ24600を使いました。降圧DCDCの制御器と各種保護回路が内蔵されていて適切な電流・電圧で充電を行ってくれます。
バッテリ保護
www.ti.com TIのBQ77915を使いました。各種保護回路とセルバランス機能が搭載されています。ハイバネーションモードも搭載しており、主電源のON/OFFはこれを利用しました。
バッテリ
18650リチウムイオン電池を4セル直列で使用しています。公称容量は3500mAh×4=14000mAhですが実測していないので詳細不明です。
残量計
www.ti.com www.ti.com コンパレータと基準電圧、抵抗分圧を用いて4段階の電圧による残量表示を実装しました。電流値による補正を行わなかったため、充電中は電圧上昇、放電中は電圧降下の影響によりまともな表示が得られなかったのが難点です。
昇降圧DCDC
https://www.monolithicpower.com/jp/mp28167.html?srsltid=AfmBOooWK_N_9QmsyiASphO32p5v9JWxUPXXC_AaD3DjuZMNpzOd1ZHswww.monolithicpower.com MPSのMP28167を使いました。FET内蔵のバックブースト型DCDCコンバータです。
PD出力
www.st.com STのSTUSB4710を使いました。マイコンを使わなくてもスタンドアロンでUSB-PDのネゴシエーションをしてくれるので簡単に使えます。DCDCのフィードバック抵抗分圧のGND引き込み点をこのICが切り替えることで電圧の変更が行われます。
設計
基板はKiCAD、ケースはFusionで設計しました。配線が通らなかったのとGNDを安定させるために基板は4層にしました。ケースは3Dプリンタで外枠を作りアクリル板で上下を作る方式にしました。
製作
部品実装はリフローで行いました。温度管理が雑だったのでQFN系のICでブリッジが発生してしまい何か所かリワークすることになりました。あとはケースの外枠を3Dプリンタ、アクリル板をレーザーカッターで加工し、組み立てて完成です。
動作確認
放熱と回路の関係上、充電は最大30W(20V1.5A専用)、放電は最大45W(5V3A, 9V3A, 12V3A, 15V3A, 20V2.25A)の仕様にしました。ノートPCも充電できますが、電池の電圧降下が激しいのでモバイルバッテリ側のセルが満充電のときに短時間限定でとなってしまいそうです。
あとがき
久しぶりに本格的(?)な電子工作ができて楽しかったです。実際に作ってみるとなんやかんやでトラブルが出たり性能があまり出なかったりで既製品の凄さが理解できた気がします。やはり自作は実用を目指すものというよりか、ロマンを目指すものですね。